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こんにちは、第3回目のアトリエスーベニールです。

この頃暑さが厳しくなってきて模型よりもビールが欲しい今日この頃ではないでしょうか?
私も同じ状態ですが、ここは チョット我慢してお付き合いください。

さて前回、サーフェイサーの塗装までご紹介しましたが上手く出来ましたでしょうか?
難しくてまだの方は「練習あるのみ!」とでも言いましょうか、慣れると簡単ですので諦めずにチャレンジしてください。
キットの製作方法はこれでなければダメというものはありません、今回のハウツーは基本的な製作方法です。
皆さんの工夫次第で更に良い工作技術が生まれてきます。


今回は本塗装に入りますが前回のサーフェイサーの缶スプレー塗装とは違いエアーブラシでの塗装です。
もうバリバリエアーブラシでの塗装が出来る方は必要ありませんが、これから使ってみたい、
始めたばかりでどうも上手く塗装出来ない方に参考になる様お話しさせて頂きます。

エアーブラシは2種類あります、シングルアクションダブルアクションというもの。
難しい事は省略しますが、簡単にご説明するとシングルはエアーブラシのトリガーを押してエアーを解放し塗装します。
ダブルもここは同じなのですが、ダブルは更にニードルが後方に動き、吹きつけの量が調整が出来ます。
これによって柔軟な塗装が出来ます。種類が豊富なのもダブルの魅力です。
高価なものは殆どがダブルですし、デザインもおしゃれな物も多いので選ぶのも楽しくなります。
どちらを選ぶかは個人の自由ですが、この先、長く模型製作をするのであればダブルアクションをお勧めします。
技術が向上してくると、柔軟な塗装が出来るダブルアクションが必要になってきます。

口径は一般的には0.3mmのノズルと、0.2mmのノズルの2種類のエアーブラシがあれば大体塗装はカバー出来ます。
私は更に細いノズルの物や太い物、スペアを入れて6本のダブルアクションのエアーブラシを所有しますが
普通は前述した2種類の口径でとりあえず問題ないでしょう。
勿論0.3のブラシ1本でも塗装は出来ますが、0.2mmがあると更なる細吹きが可能になります。
マフラー焼けの塗装やグラデーション的な塗装は0.2の方が明らかに細く綺麗に塗装できるので
是非揃えて頂くと塗装の幅が広がります。


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ちなみにこの写真は私がいつも使用しているクレオス製の0.3mmエアーブラシです。
細吹き用はタミヤのHG Sファイン0.2mmとオリンポス製の0.18mmを使用しています。
ちなみにブラシの下に付けている器具はレギュレータです。

又、エアーブラシのメーカーは本人の好みですのでどこでも良いのですが、エアーブラシのニードルなどの
アフターパーツが入手しやすい物を選ぶのをお薦めします。

最後にお伝えしたいのはお手入れです。エアーブラシは殆どのメーカーがある程度まで分解出来ます。
1作品終わったら、分解してツールウォッシャーで洗浄してください。
エアーブラシは大切に使えば10年以上使えます。
ちなみに私のブラシは一番長い物で13年使用しています。
塗装の道具の要ですので良い物を選ぶのをお勧めします。

コンプレッサーのご説明です。


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コンプレッサーは安い物から高いものまでかなり幅がありますが、大切なことは、
安定してエアーが供給出来る事とレギュレータが付いているのが理想的です。
もう一つ欲を言えばエアーの圧力計が付いていればパーフェクトです。
特にこのレギュレータは大変有り難い物で、コンプレッサーを使用中エアーの温度差によって出る水を取ってくれるからです。
塗装中にブラシから水滴が飛び、モデルの上にかかると途中で中断、又表面を磨くなりの作業が発生します。
ここは出来るだけレギュレータ付きか別売のレギュレータを付けるなりした方が無難です。
(先ほどの私のブラシに付いているレギュレータも同じ効果です、私はコンプレッサー側と各エアーブラシに取り付けています)

初心者の方にはクレオス製のリニアコンプレッサーL5がお勧めですが、あまり安い物は作動音が大きく、うるさい物もあります。
御家庭では静かなコンプレッサーの方が良いでしょうから、環境に合わせた選び方が良いと思います。
何本ものエアーブラシを分岐して交互に使用したりする場合は高い圧力のコンプレッサーの方が良いでしょう。
圧力計は、エアーのの噴射量を感や雰囲気で設定するのではなく数字として設定できる分、いつも同じ圧力で作業が出来るので便利です。
コンプレッサー本体か圧力計のエアーの調整バルブで圧力が調整出来ます。

ちなみに私の場合はエアーブラシのホースジョイント部分の中にあるエアー弁を取り外して
常時エアーがブラシから出るようにしてあり、5本分岐を利用して3本のエアーブラシが同じ状態でセットしてあります。
この状態ではある程度の圧力が無ければ必要な圧力が供給出来ません。
分岐にはストッパーがあるので切り替えも出来ますが業務中は便利な方が良いのでこの方法をとっています。


私の使用しているコンプレッサーはアネスト岩田ミニコンプレッサーIS‐925という物です。
レギュレータと圧力計が付いているタイプで市場では3万円〜4万円で販売されています。.

塗装の前にエアーブラシの扱い方です。


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まずは持ち方です。写真の様に人差し指でトリガーを引く方法と親指で引く方法がありますが、
一般的には人差し指でトリガーを引くのが普通です。ちなみに私は後者の親指での方法で塗装しています。
本人が使用しやすい方法で良いと思います。


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まずはエアブラシのうがいです。写真の様にエアーブラシのトリガーを引いてエアーブラシの先を塞ぐと
カップの中で溶剤がブクブク泡立ちます。これが洗浄をする方法です。
この方法は塗料が濃すぎた場合などは、直接カップに溶剤を入れてうがいさせて混ぜる時にも使用します。


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塗料は直接カップに入れるとエアーブラシのノズルなどに詰まってしまいますので止めましょう。
予め希釈してブラシのカップに入れて下さい。
直接濃い塗料を入れてしまうと洗浄も大変になります。
希釈ですが新品の塗料なら目安は塗料と溶剤が約半々です。塗料の溶剤が揮発していて濃い場合は更に多く溶剤を入れます。
この比率が必ずしもではありません。塗料の状態によっても変わることを覚えておいて下さい。
希釈して準備が出来たら一度プラ板などに試し吹きをすることが良いでしょう。
濃すぎる場合はノズルから塗料が出てきませんし、出たとしても蜘蛛の巣の様な糸が出てきたり、
塗装が出来ても表面がざらついて汚くなります。とても綺麗な塗装が出来る状態にはなりません。
又、薄すぎると、塗装中色逃げといって表面張力で端に塗料が溜まり表面が波を打ち綺麗に塗装出来ません。
何度もプラ板等で試し塗りを行って表面が滑らかな表面が出来る様ちょうど良い希釈を見つけてください。

ここでコンプレッサーのエアー調整が出来る機種をお持ちの方は、エアー圧を上げたり下げたりして塗装してみて塗装面の状態を見て下さい。
圧力が弱い場合はボテッとした厚い塗膜になり、高すぎると細かいざらつきが表面に出ます。
圧力を任意に調整出来るようになるとと綺麗な細く濃い線が描けたり薄いグラデ—ションが描けたりと楽しくなります。
エアーブラシとコンプレッサーは使い方を覚えると塗装の幅が劇的に変わってきます。
お使いの機種によっても多少の差がありますがご自分の使いやすいスタイルを見つけてみて下さい。


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さて塗装です、まずはボディからですが集中的に一か所を塗装しようとせず、全体にまんべんなく塗装します。
これを3回ぐらい繰り返してで全体が白くなるようにします。
吹きすぎは塗料が垂れたりしますので薄く塗装してください。
注意点は筋彫りした場所やモールドんおある場所は埋めないように塗装する事です。
丁寧な作業が美しい塗装表面を作ってくれます。

窓枠やサイドモールなどの塗装です。
どうして最初に塗装するのかって? よくお聞き下さいました!
ここは重要な点です。通常このままデカールを貼ってクリヤー塗装、研ぎ出し、ディティール塗装という順番です。
ここはチョット変えて別の方法をご紹介しましょう。

仕上げがラッカークリヤーの場合は同じラッカー系の塗装がクリヤーの上に定着しててくれますが
今回はウレタンクリヤーを使用しますので乾燥後の上からラッカー系塗料は殆ど定着しません。
場所によってはマスキングをしただけで剥がれてしまいます。

もう一つの理由は、一般車のボディにクリヤーを塗装する時はさほど厚く塗装する必要はありませんが
デカールが多く貼られたカーモデルを研ぎ出しをする場合はデカールを埋めるためにクリヤーをやや厚めに塗装する事になります。
その場合筋彫りや窓枠筋の中にどうしてもクリヤーが入り込み筋彫りが塗料で浅くなってきます。
浅くなった上にディティール塗装する場合はスッキリ感が無くなりダルく見える事もあります。
これを出来る限りスッキリ見せる為に最初に黒を塗装して最後に艶を落とすようにするわけです。
ちなみに私はラッカークリヤーでの研ぎ出しも同じ方法です。

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マスキング方法です。
今回のセリカはサイドウィンドウとリヤウィンドウが窓枠で繋がっています。ここは全てマスキングします。
マスキングはまず大まかにマスキングテープを貼ります。
ここで予めの筋彫りの効果が発揮されます。爪楊枝などで窓枠をなぞり筋をなぞります。


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良く切れるカッターでゆっくり切っていきます。
切取ったら再度筋彫りの部分を爪楊枝でなぞってマスキングテープを密着させます。


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その後、内側や他に塗料が飛ばないようにマスキングします。
この方法が苦手な方は、マスキングテープの淵で周囲を囲みながらマスキングする方法です。
この場合、マスキングテープの両端は余り綺麗にカットされていないので、一度カッティングマットの上で
定規を利用して長手方向に切り、切った側をマスキングとして利用します。
多少面倒ではありますが塗装後のマスキングラインがガタつかず、綺麗なラインが出来ます。


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このセリカの実車はドアのカーナンバーがサイドモールの上に貼られています。
その為に最初に塗装してデカール貼りを終え研ぎ出し終了後、マスキングして半艶などのクリヤーをモール等の上に薄く塗装して質感を出します。

ここで一つご参考までに、どうしてウレタンクリヤーを使用する事になったのか?
当時はウレタンクリヤーを使用するプロの方は殆どおらず、最初はバッシングさえありましたが私はウレタンクリヤーの持つ光沢に惚れてしまい今まで使用してきました。
私のモデラー人生はこの光沢に拘ってきたと言っても過言ではありません。
おかげでフジテレビの「プラモをつくろう」に出演した際「光沢の魔術師」なんて恐れ多くも愛称を頂く事にもなりました。
実は私はBBR製のフェラーリのミニカーが大好きで、このミニカーの美しく深みのある光沢を再現したかったんです。
重量感があり、高級感もある、その上、爪を当てた程度では傷もつかない強い表面に憧れて
この表現をプラモデルに表現出来ないものかと考えたのが最初でした。

以前は私もラッカーで研ぎ出しをして完成品にしていましたが、十分な乾燥時間を置いたはずなのに完成してから数か月時間が経つとデカールの表面にヒケが出来てくるのを見て「いったいどれくらい乾燥させればいいんだよ」なんていつも考えていました。
あらゆるメーカーのクリヤーを使用しても結果は余り変わらず完全乾燥まで1か月は必要だと知りました。
電撃ホビーの作例もたまに依頼が遅く、時間の無い場合はクリヤーが乾燥しきれないうちに研ぎ出しする羽目に、、、
まして当時は市販車を作らず、ラリーカーやF1、モトGPばかり製作していたのでデカールの表面のクリヤー乾燥は課題でした。
そんな時、模型用のウレタンクリヤーを知りました。


現在は精密屋のウレタンを使用していますが、当時はフィニッシャーズのウレタンを使用して試験的にいくつもボディを完成させてみました。
「これなら時間が短縮が出来てヒケの問題も解消する!」とBBR製のミニカーに近い表現が出来ると考えた訳です。
当時は模型店を営んでいたので電撃ホビーの作例を展示していたのですが、数か月たっても完成時の美しさを保てたことが決め手となり現在までウレタンクリヤーを使用しています。

ウレタンの利点は、窓枠などのメッキ部をシルバーで塗装した上にウレタンクリアーならシルバーの色合いが殆ど変わらず保護できます。
通常シルバーの上にラッカー系のクリヤーを塗装するとシルバーの輝きが落ちてくすんでしまうので注意が必要です。
更にウレタンは完全硬化すると塗膜が非常に強いので少々の事では傷が入りませんし
2〜3日で完全硬化し研ぎ出しが出来るので研ぎ出し作業までの時間が早く
仕上げた表面の塗料ヒケが殆ど無いので磨き立ての美しさが保てます。


CIMG3068のコピー


CIMG3076のコピー
ウレタンによる光沢表現の一例。
映り込み具合がお分かりでしょうか。



勿論ウレタンクリヤーでなければダメだと言う事ではなくラッカー仕上げでも本人の自由です。
以前もお話ししましたがこの方法でなければ! と言うのはありません、素敵な完成品になることが大切なんです。


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さて今回はここまでとなります。
次回はいよいよデカール貼りとウレタンクリヤーコートになります。
ここまで来ると形が見えてくるので楽のしくなってきますね。

さて今回は如何でしたでしょうか? もっと早く製作を進めてよ! なんて思われる方も多いとは思いますが、
出来るだけ解る様にしようと思うと解説が多くなるので御理解頂ければ幸いです。
エアーブラシの技法はまだ他にも様々なテクニックがあります。今回の御紹介はごく一部でしかありません。
いずれは、エアーブラシの様々な活用法もご紹介したいと思います。

今回も内容を御理解頂けたようでしたらポチッとお願いいたします。
又、解らない点はコメント頂ければお返事させて頂きます。

では次回まで。

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プロフィール

keitarousan

Author:keitarousan
株式会社アイビプロテックの代表取締役です。
模型製作代行【NAGAEアートプロダクション】事業部を設立。
現在雑誌・テレビ等のメディアで模型製作および解説をやらせてもらっております。

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