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皆さんお待たせいたしました。
何とか今月3回目の更新が出来ました。
内容がまだ地味なので面白みに欠けるかもしれませんんがこういった地道な工作が一段上の完成品を作るんです。
と、言ってはいますが本人も地味な作業で大きな変化がない分チョット飽きています。
でももう直ぐ大きな変化が出る作業になるので頑張ろうと思います。

では今回の作業に参りましょう!
前回は母線を取り除いた訳ですがヒューズボックスへの配管部分は手を入れていません。この部分はモールドのみ綺麗にペーパー処理などが出来れば良いのですが少しでも狙った所からズレてしまうとモールドされているリベット(ボルト?)表現が無くなってしまいます。
リベットのモールド自体はとても小さく0.2~0.3mm程度しかありません。
特に無くなっても気にしないのであれば全て綺麗に削り取っても良いと思いますが中にはリベットが無くなるのは嫌だな~とい方には消えたリベットを再現する方法を行ってみましょう。

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まずはリベットを綺麗にカッターで切り取りましょう。少し跡が判る様に削るのがコツです。
この時点では配管は特に加工する必要はありません。

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削り取ったリベット部分に穴を開ける為に先の尖ったもので後を付けます。
この時皆さんが御心配になるのは精度ではないでしょうか?勿論正しく入れられれば問題はありませんが人間の手による作業ですので絶対機械のようには出来ません。
多少ズレていてもそこは愛嬌という事で笑って済ませましょう!
ちなみに私自身も完全に正しい位置には出来ません。幸い今回のリベットは屋根と同色です。パッと見は解らないので気軽に作業を行いましょう。
どうしても正確でなければ嫌だという方は航空機模型用のリベット用の治具などが販売されているのでそういったツールを使用するのが便利です。

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先程の印に穴を開けていきます、ここはリベット用なので0.3mmが良いと思います。0.3mmのバイス刃は非常に折れやすいので曲がらない様に垂直にゆっくり穴を開けていきます。
非常に根気のいる作業ですがやってみると案外楽しいものです。自分のオリジナリティを演出する為にもここは一つ頑張っていきましょう!

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穴を開け終わったら整形します。
「こうやって成形するんなら最初にモールドを削らなくてもいいんじゃね?」
と思う方も多いでしょうが最初に削り取ったのは配管止めの穴を開けておくのと平らにペーパーをかけやすくする為です。
治具などを利用して平滑に処理する場合は出来るだけ全体に同じ力で磨いた方が綺麗に仕上がります。
大きいモールドが残っているとその部分を削る為に均等に力を入れる事が出来ません。出来るだけ全体に平均的に力をかけられるよう余分な場所は削り取った方が綺麗に処理できます。

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綺麗に処理出来たら穴に残っている切り屑などを綺麗に取り除きます。良く見て頂くと私も完全な位置には穴が開けきれません。
この程度でも御自分が納得出来れば問題はないでしょう。


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これからが大切です、穴を開けた場所に0.3mmの真鍮線を差し込んでいきます。やや長めが作業しやすいので良いと思います。
全て差し込んだら表を1mm程度出る様に全ての真鍮線を調整します。
出来たら裏側から瞬間接着剤を出ている真鍮線の周りに流し込んで真鍮線が動かないようにします。

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ダイヤモンドヤスリで出ている真鍮線を約0.1mm~0.2mm程度になるように整形していきます(高さは御好みで)。
くれぐれも慎重に行って同じ高さになるよう整形します。
削り過ぎて表面と同じ高さになってしまった場合は瞬間接着剤で固定しているので裏側から表側にラジオペンチやニッパーなどで挟み押し込んで調整します。
この時の調整の為にも真鍮線は少し長めにしておいた方が無難です、太さが気になる方は0.2mmや0.4mmなどお好きな真鍮線でお試しください。
これでリベットの表現が完成しました。

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下の写真の様になっていれば大丈夫です、高さは好みがあるので塗装の塗膜を考えた上で好みに合う高さに仕上げれば良いと思います。

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お次は細い配管です、母線を切り取った方法と基本的には同じです。
入り組んだ場所に多いのでカッターの刃先や平ノミなどを屈指して綺麗に削り取っていきます。

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上手く切り取れると下の写真の様に配管が別パーツの様に切り取れます。

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今迄と同じ様に尖ったもので印を付けて配管止めの位置に穴を開けていきます。

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ここは配管止め用の穴なので0.4mmなどを使用して配管止めが入る穴を開けておきます。

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全ての配管を切り取りサンドペーパーで仕上げておきます。

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ここまで来たら機器などに手を入れていきます。
ヒューズボックスは前に記述した通り碍子を挟んで取り付けますが今はまだ作業はしないので後にします。

ここまで来たら他にも手を入れましょう。キットのパンタグラフは固定式で可動はしません。ここは折り畳みの出来るグレードの高い物を載せたいものです。
パンタを交換するとなるとネジ止めのタイプになるので今のままでは乗せる事が出来ません。
基台自体を新しく作り変えましょう。

まずはモールドされている基台をニッパーで切り取ります。

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基台のモールドを削り取ったらいつもの通り印を付けて碍子のモールド部分の中心に穴を開けておきます。
これは最終的にパンタを止める為の位置が判る様にする為です。

これで十分な方は穴を開けてから碍子モールドを綺麗に削り取りパンタ用のビスが入る様タップを切っておき、別売の碍子を挟んでパンタグラフを取り付ければOKです。

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先程の状態から私はもう少し手を入れてみたいと思います。
実車のパンタ台は屋根板に直にプレートが乗っている訳ではなく台の下に隙間があります(説明がチョット難しい)
又、パンタ自体がチョット低い位置に付いている様な気がするので実車の様な形に改造します。
そこで更に碍子下の基台も切り取ります。

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切り取った所に屋根上に付いているプレートの真ん中を両端1.5mm程度残し切欠きます。

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サンドペーパーで処理し平滑になる様に整形した後プレートに付いているボルトのモールを切り取り何時もの通りの方法で穴を開けます。
今回はリベットではなくボルトですので0.4mmで穴を開けておきます。

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下の写真の様な状態になります。
この時出来るだけ周囲が平滑になる様丁寧にペーパー処理しておくことが大切です。

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ここでパンタの基台が載るプレートを製作します。
0.3mmのプラ板を7.3mm×4mmに切出します。切出したパーツは角を少しだけ丸めて全体的に1500番程度のペーパで整形しておきます。
右の写真は加工前ですが左の写真の様になればOKです。
角のRは御自分の好みで良いのですが違和感がなければ十分です。

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先程切り欠いた場所にプラ板で製作したプレートを流し込み接着剤を使用してシッカリ接着します。
ここの場合はプラモデル用流し込み接着剤で固定します。

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横から見るとプレートの下に隙間が出来ました。実車はこの様な形になっています。

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さて今回はここまでです、如何でしたか?
今回の作業もどこまでやるか本人の好みって所でしょうか?
特に最後のパンタ基台の製作は結構な手間がかかるので無理にする必要はありません、御自分のイメージの範囲で行って下さい。

中にはここまでする必要があるのか?と思う方もいると思います、確かにそうだと思います。
ここまでするのであればカツミ製やオカ製のブラス製HO完成品を買えば済むことです。
又、金額面でもブラス製に比べると多少でも安価になります。(改造次第ですが金額については個人差があるので御理解ください)

では何故行うのか?それは工作する事自体が楽しいからではないでしょうか?
工作しながら形が変わっていく様を見ていることが楽しいからです。私自身もブラス製のキットも持っていますが、プラ製のキットをブラス製に見劣りしないよに完成させることが楽しいからです。
以前同じホビダス製の名鉄7000系をRMモデル本誌の中で記事にして頂いた事がありますがこの名鉄7000系完成品は
カツミ目黒店様の展示品になっていました、その中でもとても嬉しかったのが大半の来店された御客様ががプラ製なのかブラス製なのか判別出来ないと店員の方からお聞きした時です。
確かにブラス製はとてもシャープな仕上がりで私も大好きですがプラ製だらと馬鹿にされるのはとても心が痛みます。
ストレートの完成品では確かにとてもブラス製にはかないません。だったらと手を入れている訳です。

私の考えに反対の方もいるとは思いますが模型は自分自身が心から楽しむものです。完成度を自慢するのも勿論OKですが
それでは初心者の方や上手く出来ない方にはプレッシャーになり現時点でもとても少ないモデラーが人口が益々減っていきます。
モデラーを少しでも減らさない為にも皆さんのお力が必要だと思います。

次回は屋根の周辺機器や配管作業になりますので宜しくお願い致します。
では次回まで暫しお待ちください。

合掌 礼

質問等いつでも受け付けていますので御遠慮なくコメント下さい、又、内容が濃い場合は弊社に写真などを添付してメールで御問い合わせ下さい。


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 2019_02_28


こんにちは!暖かくなりましたね~そろそろ大好きなバイクに乗れる日が来ます。
今からどこに行こうか?考えるだけでもワクワクします。

今回から屋根のディティールアップを行いますが皆さん難しいとお考えの方も多いのではないでしょうか?
確かに簡単とは言いませんがコツを掴めば案外この程度なら出来ると思って頂けると思います。

その中でもメインになるのは配管のモールドを立体的にする事が中心になりますが、やる気次第で手を入れようと思えばヒューズボックスや避雷器など多岐に行う事が出来ます、上から見る事の多い鉄道模型には効果的であることは間違いないでしょう。

さて、この配管を含めた作業はどのように行うのか?どこまで行えば良いのか?どのようにすれば効果的なのか?どこから手を付ければ良いのか?など、初心者の方には大変な作業になると思います。
そこで順番を考えて出来るだけ簡単に御理解頂き作業出来る様に御紹介して参ります。
鉄道模型以外のジャンルの方にも多分参考になると思いますので是非ご覧下さい。
勿論!ボディは手を入れたいけど屋根は今のままでも、、、と思う方は行う必要はありません。
そのままでも十分な内容のキットですが手を入れたいと思う方は是非御参考下さい。


作業に入る前に重要なポイントです、このキットは8両編成と2両編成に構成されていますがそれぞれ配管が少し違っています。
8両編成にはパンタ車が2両ありますがこれはキットのモールドが正しいので問題ありませんが2両用のパンタ車が違います。
違うと言っても大きく違う訳では無く母線が2本ではなく1本になりその分ヒューズボックスが1か所無くなるというもの、
作業自体は特に大差はないのですが今回は2両編成用のパンタ車をディティールアップします。
では早速参りましょう! 屋根もプラ製なので削り取るにはカッターで十分ですが必ず良く切れるカッターを使用するのは基本です。
切れないカッターを使用すると刃先が滑ってコントロールが出来きなかったり怪我の元になります。
カッターの刃はケチケチせずいつも切れる刃を用意する事が大切です。

ではどこから削れば良いのか?出来る方にとっては基本的には何処でも良いのですが初心者の方はやりやすい場所である母線を削り取る所から入りましょう。
又、削る為の方法や順序も入れて削り過ぎたり失敗しない方法を御紹介して参ります。

最初は切り取る部分の両端に切り込みを入れておきます。出来れば屋根の高さまで切り込みを入れた方が効率が良くなります。
又、切り込みを入れておくと削った際に削れた部分が捲れたりちぎれたりしないので綺麗なカットが出来ます。
切り込みを入れる際、形が変わってしまわない様に切り目の境目を削り取る側にほんの少し寄せて切り込みを入れた方が安全です。

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削り取る際は慎重に2~3回に分けて少しずつ切り取った方が失敗しないでしょう。
但し、妻板側でも行ったように全て切り取るのではなく少し残して(サンドペーパーで消える程度)切り取るとその後の作業が楽になります。
最終的には配管は全て取り除くのですが何もない状態まで削り取ると配管止めを取り付ける位置が判らなくなり誤った位置に付けかねません。

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写真を見て頂くと配管と止めのモールが残っています、最初に述べましたが今回は母線を2本取り換える訳では無いので
2本の真ん中に印を付けるのではなく内側の1本の線上に印を付けます。

印を付ける際に先の尖った物で付けるのは妻板の時もお話ししましたが千枚通しの中には先が丸まっていたり太めのものは正確に印しを付ける事が出来ません。
先を研ぐか新しい超細い物を使って行いましょう。

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先程の印をガイドにピンバイスで0.4mmの穴を開けます、先程の印はこの0.4mmのピンバイスのガイドになる様な印を付ける事が大切です。
印が浅すぎると狙った位置から逸れてしまいますし太すぎると穴が異常に大きく見えてしまいます。

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穴を開けた後は残ったモールドを更に削り取ります。くれぐれも周囲の屋根を傷つけないようにしましょう。

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削るのが難しと思う方やある程度削れても最後まで削るのが大変だと思う方はカッターの背を使いこそぎ取るのも手です。
いわゆるカンナがけの要領で削っていきます。

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最後はペーパー処理です、800番程度で粗磨きしてから1000番以上の目で仕上げていけば早く楽に処理出来ます。
この時に屋根に残っているパーティングラインも処理しておきましょう。このラインは恐らく2種類のパンタ屋根を成形する際、金型を入れ替えている為に出来たラインです。実車には無いので残さないようにしましょう。
(矢印部分です)

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妻板側の処理ですが母線が2本ではなく1本なので妻板側まで伸びている線はありません、出来る限り丁寧に切取りペーパーで処理しておきます。
カッターの刃の下に見える小さいモールドは手すりです、ここも交換する為に一緒に切り取り先ほどの方法で穴を開けておきましょう。
又、配管のモールドが屋根のパネルラインにかかっています、モールドで埋まっているのでこの部分の再生はお忘れなく。

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母線を切り取りペーパー処理をした状態です。

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ここからがチョット難しい!
ヒューズボックスに繋がるモールドも不要です、ここも削り取る訳ですが下の台自体にリベット表現があります。
このリベットを残し切り取るのでがこれが難しんですね~。上手く切り取ったとしても平滑にするにはペーパー処理が必要です。
リベットに触れない様に少しずつ処理しなければなりません。
作業後に配管止めになる部分に印を付けて0.4mmで穴を開けておきます。

私は削ったモールドをペーパーで綺麗に処理する自信はありませんので別な方法を行おうと思います、それは今後御紹介して参ります。

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最初に記述しましたがこの車両の場合は前面側のヒューズボックスは必要ありませんので取り付けボスは切り取っておきますがどうせならという事で後方側も切り取ってしまいましょう。

ではどうするのか?
ヒューズボックス自体は基本的に碍子の上に付いていいるのが普通です。それならば碍子を挟んでヒューズボックスを取り付ける様にしたいのでボスを綺麗に削り取りで中心が判る様に穴を開けておきます。

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これで母線になる部分は全て取り除く事が出来ました。
これで終わりではありません、これからまだまだ作業が続きます。

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今回はここまでです。

毎回ブログを更新する際に予め別のパーツで検証しながら整理して順番を考えアップしているのですが私が行ってもかなり時間のかかる作業です。
難しい作業も多いのですが時間をかけて慎重、丁寧に私が行っている様に工作すれば初心者でもある十分可能な作業だと思います。
又、母線は太いですし比較的に直線が多いので初心者であっても十分出来るとは思いますがやはりある程度慣れが必要な作業です。
手を付けるまでが最初の難関になるとは思いますが勇気を出して挑戦してみて下さい。

困ったり悩んだりした場合はいつでも遠慮なくお気軽にコメントか御質問頂ければ出来る限り判りやすく回答いたしますので御安下さい。
次回は細い線のディティールアップを中心に進めて参ります、その後配管作業になるので宜しくお願い致します。

さてどこまで屋根が変わっていくのか?それでは次回まで~。


合掌 礼

 2019_02_23


こんにちは!

つい先日妻と西伊豆に一泊の温泉旅行に行って来ました。久しぶりに二人だけの旅行だったので妻の行きたがっていた場所を沢山巡る事が出来てとても楽しい時間を過ごさせて頂きました。
露天風呂付のお部屋を取ったので部屋の風呂でビールを飲みながら綺麗な夕日を見て疲れを癒しました。それはそれはとても贅沢で何物にも代えがたい時間でした。普段仕事をしているとこういった時間を忘れてしまい心にゆとりが無くなっていたのでしょうね。
最近の中でとても大切で貴重な時間でした、その時の夕日は口で言い表せませんが少しでも皆さんと分かち合えればとその時撮った写真を御覧頂ければと思います。
愛する妻にも心から感謝したいと思います。

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では今回の製作に入りましょう!
今回は屋根配管になるのですが大抵の皆さんが最も頭を抱えるディティールアップになるのではないでしょうか?
配管作業はパイピングと言うカーモデルなどで使われる作業と基本的に同じで実車のディティールを上げる方法としては非常に効果的です。
特に鉄道車両は上から見下ろす機会が多い分効果が高く非常にリアリティに溢れる作品になります。

ですがこの配管作業、大抵に方が非常に難しいと感じているのではないでしょうか?
確かにお手軽とはとても言えませんが基本的な工作技術があれば案外どなたても出来る作業なんですね~。
又、方法も多種多用でこれでなければいけないというのもありません。要はモールドされて一体化に見える配管を別体に見せるだけなんです。
配管作業は真鍮製に行うのと基本的には同じですがプラ製の場合屋根が別パーツになっている分チョット勝手が変わってきます。
そんな部分も考慮してここで今回の様なパーツ割の場合を考えて御紹介して参りたいと思います。

とは言っても私もどうすれば初めての方が簡単に出来る様に御紹介していくかはかなり悩みました。解りにくい所もあるかもしれあせんが出来るだけ御理解頂ける様詳しく御紹介して参ります。

屋根と妻板部に廻る配管を取り換える訳ですが加工量が多いので今回は妻板部分の処理を行います。
今回はチョット長いのですがキリの良い所までの作業ですのでお付き合い下さい。

下の写真は加工前の姿です、それなりのディティールになっているので面倒な方にはこれでも十分な仕上がりになりそうです。
ですがやはりここは手を入れないとこのブログ自体の意味が無くなってしまうので涙をこらえて削り取りましょう!

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では最初の作業に入りましょう!
最初は既存の配管モールドを削り取る作業です。
削ると言っても丁寧な作業が必要です。最初は母線である太い物を削りとりますが何時ものように新品同等のカッターの刃で丁寧に削り取ります。

この時、最初から全て削り取るのでは無く気持ち少しだけ残る様に削り取り既存のモールドが判る様にしておきます。
今回の車輌は配管がチョット多目なので初心者の方だと削ってしまった後、配管止めを何処につけるか分からなくなってしまう可能性があります。
その為にも少し分かる様にしておきます。

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ある程度削れたら配管止めを入れる位置が判る様に印を入れていきます。
表面を削った意味はここでの作業を楽にする為です、出来るだけ正確に穴を開ける為にはディティールは邪魔になります。
その為にもある程度表面を平らにしておいた方が作業が格段に楽になります。
穴を開ける際は前回、前面の手すりを取り付けた様に先の尖ったもので強く押してピンバイスのガイドにします。

穴を開ける位置は配管止めが入る場所に付けるのは言うまでもありませんが重要な部分なのでチョット詳しく解説しておきます。
この配管は片側に3本もあります、屋根から回っている母線は太く妻まで同じ太さの配管になっています。
又。実車は各配管の機器との接合は細くなっているので再現した方がリアリティが増します、その為に真鍮パイプを利用して細い物を接続して再現するのが一番簡単な方法です。
そこで問題になるのは配管で使用する太さです。0.4mmではやや細く貧弱な配管になりますし先の細い部分を再現しようとすると0.2mmほどの細さになってしまいます。
これではとても貧弱になるので機器との接合部の細い部分は0.4mmを使用したい所です。

母線自体を0.8mmの設定にも出来ますが存在感はあるもののやや太く、妻部に廻った際、窓の横を這わせると幅が大きくなり見た目が悪くなります。
母線自体は0.7mmぐらいが適当と思いますが入手できる真鍮パイプを使用して各部の再現を考えると入手しやすい0.6mmが最も良いと思います。
尚、配管止めは0.6mm用の2本止めはありますが3本止めは無かった様に思います。
そこでやや面倒になりますがどなたでも出来る事を考えれば3本の配管を別々に取り付ける方法です、又、実車の様に各配管が接触しない様にする事も重要です。

工作に自信がある方は3本まとめてパイプなどで自作して止めを作りボディに差し込む方法もありますがある程度の工作技術が必要です。

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ここで先ほど付けたガイドに沿って穴を0.4mmのピンバイスで穴を開けます。
出来るだけ正確に開けたい所ですが中々難しいのが現実です、そこで今回の方法は少々違っても多少の修正が出来るので気合を入れて容赦なく開けていきましょう。
(かといって適当はダメですよ~、)

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穴が開いているのが解ると思いますがこのぐらいの精度であれば大丈夫です、この位の精度を出す為にも最初のガイドを付ける際は出来る限り正確に開けておきましょう。

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ここまで来たらステップも交換しちゃいましょう!既存のガイドを何時もの様に跡が残る程度切り落とします。

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同じ様にガイドの印を入れます。
モールドにはステップの基台も再現されています残したい方は横方向のステップのみ切り落とし穴を開ければ基台は再現できます。
ちなみに私は面倒だったので全て落としてフラットな状態で仕上げる予定です。

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穴あけ加工が終了したら整形に入ります。
妻上部の配管モールドは不要なので切飛ばします。配管の間にあるモールドは手すりですが後で再現するので一緒に切飛ばし整形します。
カッターを使用する技術が高い方であれば加工済みのモールドは出来る限り削り取った方が後の処理が楽になるのでお勧めです。

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整形する際に必ず行って頂きたいのが治具を使用する事です。こういった治具を使用するのとしないのとでは処理した状態に大きな差が出ます。
妻面の綺麗なフラットな状態を再現するのであれば必ず使用しましょう。
フリーでペーパーをかけると力のバラツキが生じて角を削り過ぎたりします。治具は私の様な物を購入するのも良いですし
木片などを利用して作るのも手です。この手の工作を行う場合は持っておきたい大切なツールです。

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下の状態は両側ともモールを落としてペーパーをかけて処理した状態です。

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ここでどうせならって事でドアノブも交換しちゃいましょう!カッターの刃先を使用して切り落とします。

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ここは狭いので治具が入りません。ペーパーを2つに折り曲がらない様にして少しずつ処理します。

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ステップの再現を行いましょう。
ステップは各鉄道会社によって様々な形がありますが最も近い形状で入手できる物としてKSモデル製のステップを使用します。
勿論、完全に同じではありませんが全く同じ物でなければダメだという方の場合は自作するかメーカーに特注するかしかありません。
その場合は想定以上の金額と量を請求されるのを覚悟の上で自己責任の下で行いましょう。
私はそこまで拘らないのでこれで十分です。

ちなみにこういったパーツは各メーカーから出ていますが完全に同じものは余りありません。知らない方は「形が違う」などと言われるかもしれませんがそこは自己満足の世界です、無視しましょう!
他人の無責任な言葉に耳は貸さないようにし、自己満足の頂点を目指しましょう!

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エッチングは必ず専用のハサミなどを利用して切り落とします。
切り取る状態を写真で取る為に何も押さえて切っていませんが切る際は飛ばない様くれぐれも気を付けて行って下さい。

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このステップの場合は0.4mmの穴で十分差し込めます。ステップが曲らない様丁寧に差し込みます。

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留め方は瞬間接着剤を使用します。沢山付けるのではなく差し込んだ裏側から少し盛る様な塩梅で瞬間接着剤を付けます。

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何のパーツか判りませんが妻部に取り付けるパーツがあります、 ランナーから切り離します。
カーモデルの場合にも説明していますがニッパーで切る際は必ず刃の平たい方をパーツ側にして少し話して切るのがコツです。
パーツ自体の破損も防げますし切り過ぎる事もありません。

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カッターで丁寧に余分なランナーを処理します、カッターで処理しきれない場合はサンドペーパーの併用で処理すれば大丈夫です。

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ここが大切なポイントです。接着する場合は流し込み系のプラ用接着剤を使用しましょう。
粘性の高い接着剤を使用した場合少しでも必要料以上に接着剤を塗るとはみ出す原因になります、プラを溶かす力が強いのではみ出した部分を拭き取ってもその部分は荒れてしまい綺麗になりません。(する場合は十分乾燥時間を置いて少量のパテを表面に塗り整形しましょう)
パーツをしっかり押さえて適量を裏側から付ければ綺麗に接着出来ます。くれぐれも注意しましょう。

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これで加工は完了です。チョット穴がズレている場所もありますが御愛嬌って事でお許しください。

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最後に行わなくても大丈夫なのですが美しい完成度にしたいのであれば裏側のステップを切飛ばしてダイヤモンドヤスリなどで平滑に処理しておけば室内塗装の際に綺麗に仕上がりますし、表側の塗装時室内側をマスキングする際も邪魔にはなりません。
又、妻部のガラスを取り付ける際の邪魔にもならないので面倒でなければ行っておいた方が良いでしょう。

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妻部の加工は終了です、左の車両はパンタの無い中間車です。ステップの位置が違いますが作業方法は全く同じです。

DSCN9988.jpg

今回はここまでです。
チョット長くなってしまいましたが詳しく解説しようとすると妻部だけでこれだけの量になってしまいます、もっと詳しくしようとすると更に長くなるのでこの程度が良いのでしょうね~。
今回は妻部だけでしたが次回は屋根になります、こちらの方は配管も多いので大変になりますが一人でも多くの方に御理解頂きたいのでモールドを切り取っていく順番なども考慮した御紹介が出来ればと思っています。

今回も長々とお付き合い有難うございました、お陰様で過去最高の方々に見て頂いている様でとても嬉しく思います。
雑誌のモデラーも良いのですがブログで製作している方が皆さんがとても近く感じるのでとても楽しくなってきます。
鉄道模型だけでなく模型を愛する方々の為に精一杯頑張ります!

では次回まで、、、、早く暖かくならないかな~温泉大好きなので何処か行きたい~!

今回も不明な点があった際は御気軽にコメント、御質問等下さい。
もしご面倒でなければポチッとお願いします。

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プロフィール

keitarousan

Author:keitarousan
株式会社アイビプロテックの代表取締役です。
模型製作代行【NAGAEアートプロダクション】事業部を設立。
現在雑誌・テレビ等のメディアで模型製作および解説をやらせてもらっております。

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