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[atelier souvenir vol.02] 1/24 シトロエン DS19 第三回

Category: atelier souvenir  

こんにちは! 第三回のシトロエンDS19です!
前回のウレタン研ぎ出しの技法は御理解頂けましたか?
一人でも多くの方が上手になって頂いて模型製作が人生のスパイスになって頂ければ幸いです。
皆さんも日々多忙な毎日をお過ごしでしょう。暇な人ほど無趣味で何もしません。
忙しいからこそ何かを作る作業は心にゆとりをもたらしてくれると思います。

さて余計な事はこの辺にして早速エンジンの組み立てに入りましょう!
このシトロエンはエンジンの資料はネットなどでも多く検索出来ますが各部の色が年式や仕様によって「これだ!」と言うのが中々決まりません。
又、非常に古い車ですのでオーバーホールされている車も多く各部の色やエンジンの補器類が違っていたりします。
今回はキットのパーツを検証して最も多く標準であろうと思われるカラーにしてみました。
シトロエンのコアなファンでなければ完全な再現はチョット難しいかもしれません。

ここでウンチクです!
このキットの塗装指示はタミヤ製の塗料ナンバーで指示されていますが基本的に参考程度にして
実車に使用されている色を中心に考える事がより良い完成品になってくれます。
又、タミヤの指定の場合はエナメルかアクリルの指定になるのでラッカー系の塗料を使用する方には解りにくくなります。
例えばフラットアルミの指定は基本的にシルバーの艶無しを意味していますが、実車にタミヤのフラットアルミの色と
同じ色合いの場所は殆どありません。
艶の無いシルバーであれば、ガイアノーツのステンレスシルバーの方が美しく、それらしく見えます。
私の場合はエンジンブロックは基本的にシルバーに少量の黒かグレーを混ぜて塗装してから、半艶クリヤーなどでくすませて鋳造っぽく見せる事も多く、実車の写真を見て黒鉄色にシルバーと少量の白を混ぜて表現する場合もあります。

又、ブレーキディスクなどもクロームシルバーではなくガイアノーツのステンレスシルバーにグラデーション塗装を施せば一般車のブレーキディスクはかなりリアルになりますし、同じガイアのスターブライトジュラルミンを使用するとスポーツカーや高級車によく見る暗い色のブレーキディスクになります。
最近のF1や現代のスーパースポーツカーのフェラーリやランボルギーニなどはカーボンディスクです。簡単に表現するのであればこれもガイアのスターブライトアイアンに適量(好みや仕様にもよります)のブラックグレーなどを混ぜて艶を落とせば表現できます。

他にもダッシュボードなどはセミグロスブラックの指定ですが少量のグレーなどを混ぜて気持ちグレーがかった黒寄りの
ブラックグレーなどでダッシュボードを塗装した方がリアル感が出ます。
皆さんが指定色で塗装する事も問題ありませんが、少しでもリアル感を追求するのであれば是非塗装色に拘ってみてはいかがでしょう?
色々な色が自分で調色して塗装して出来る様になると楽しさが倍増します。これホントです。


さて製作です!
エンジンなど同じ色のパーツは基本的に予め接着をして成形するのが基本です。
エンジン本体はどのキットも両側張り合わせでの再現になりますが、ここで大切なのはキッチリ組み上げる事です。
各パーツのチリを合わせて隙間が出ないように成形します。
特にエンジンヘッドはエンジン本体の金型上の抜きテーパ(成型したランナーを型から射出する為、角度がつけられています)がある為に必ず成形しないとエンジンヘッドが傾いてしまいます。
そうならないように平たく、仮組を行って合わせていきます。


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各部のパーツの成型が終ったら全てのパーツにサーフェイサーを塗装してから本塗装をします。
エンジンブロックはクレオスのシルバー、ミッション部分はシルバーに黒鉄色を少量混ぜて、ブロックの違いを表現します。
(パーツが多いので各パーツの塗装は割愛させて頂き申し訳ありません。)


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さてここからが今回の目玉です!
エンジンにはやはり多種多用のコードがあります。そのすべてを再現しようとするとエンジンルーム内の補器類が全て
再現されていないととても難しいですし、自作するのも手ですがそこまではメンドクサイ!なんて方も多いですよね。
でも最小限の雰囲気は欲しい物です。
そこで今回はキットの持つ再現で最小限のパイピングディティールアップを施してみましょう。
まず一番再現したいのはやはりプラグコードではないでしょうか?
ここから参りましょう!

エンジンヘッドのにはプラグを再現したような突起がありますが、ここに差し込むことの出来るコードではスケール感が台無しです。
これをスケール感にあったコードを施します。

エンジンヘッドの突起部を全て切り取りとって切り取った部分に0.7mmの穴を開けます。
ちなみにこのパーツにサフが塗装されているのは皆さんが見やすくする為です。通常は加工後サフを塗装してください。


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次は使用するコードですが今回は0.7mmのリード線の芯を全て抜いておきます。このコードはプラグに差し込む口の表現に使用します。
この芯を抜いたコードの切り口に先の尖ったもの(罫書き針など)で少し口を広げてからコード本体になる0.38mmのコードを差し込みます。
差し込んだ後、抜けないように瞬間接着剤をほんの小量使用して接着をしておきます。これを5本作ります。
コードはパイピングに支障が無いようにやや長めに切っておきましょう。
コードは0.4mmでも大丈夫です。スケール感を損なわなければ皆さんのお手持ちの物で十分です。


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先ほど作ったコードをエンジンヘッドの塗装後差し込んで裏から瞬間接着剤で止めます。


これでエンジンヘッドの完成です。
ちなみにこのエンジンヘッドはエンジンブロックの色より濃いガンステンレスで塗装しています。
これで変化が付いて良いアクセントになります。 


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お次はディストリビューターの加工です。ここも予め突起を切り取っておきます。
ここは小さい物に穴を開ける作業ですが最も難しいかもしれません。
まずコードが0.38mmなので0.4mmのピンバイスで穴を5か所開けます。
簡単に開けるには開けたい場所に千枚通しの様な先の尖ったもので強く印を付けておき、その印がガイドになって
ピンバイスが開けたい場所から逃げる事を防いでくれるので穴をが開けやすくなります。

エンジンを組み立ててからディストリビューターの穴に差し込み瞬間接着剤で固定します。
ディストリビューターにパイピング施す際は中心の一本は別の所に取り付けるので周りの4か所に取り付けます。


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こんな感じになりました。
コードが付くともリアル感が出てきます。でもこれで終了では何か物足りませんのでもう一つ手を入れてみましょう。
エンジン関係に使われているゴム系のホースには外れないようにする為に金属のバンドが巻かれています。
このバンドはエンジンに程よいアクセントになり更にリアル感を与えてくれます。これを簡単に表現しましょう。


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今回はハセガワから販売されている金属表現用のミラーフィニッシュを使用して0.5mm程度の幅で細くカットします。
これを各ホースの両エンドに巻き付けて表現します。簡単でしょ?


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塗装が終了した各パーツをエンジン本体に取り付けて完成です。エンジンとしての雰囲気は十分ではないでしょうか。

ここで一つ!
今回完成したエンジンは前述した通り説明書のまま塗装していません。実車の資料を見て最も多い塗装を施しています。
エアークリーナーのパーツもキット説明書ではセミグロスブラックとフラットブラックの指定ですがエンジンヘッドの取り付け部はシルバーで塗装、クリーナー本体部はグロスの黒で塗装した方がリアル感が出ます。

模型の塗装のセオリーは色塗りではなく、その部品のもつ材質を表現することです。
ゴムはゴムらしい色、金属は金属質感、布は布っぽくって事が大切です。
又、経年劣化による古びた感じは単純に艶を消せば表現できる物ではありません。元の材質の質感を理解した上で
ゴムの経年劣化を表現する場合はグレーに塗装して所々にシミの様な形でグラデーションを塗装すると表現出来ますし、
金属は錆や塗装の剥がれなどを表現する上で塗装しなければリアル感は出ません。
要するに本物を表現する事がモデルの完成度を一気に上げてくれるという事でしょうか。
今回は当時に新車であった頃を表現をしていますので各パーツは美しく塗装しています。


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もう一つ効果的なディティールアップを行ってみましょう。
エンジンルームの前側に円筒のパーツがあります。実際のこの補器の機能は分かりませんが、実車ではこのパーツには太めのホースが付いています。これはアクセントとしても是非追加したい所です。
このホースは上面のモールのラジエター寄りの片側にのみに付いています。
まずそこにを0.4mmの穴開けます。その穴に同じ0.4mmの真鍮線で差し込み用のステーを瞬間接着剤で取り付けます。
その取り付け部分にアイボリーで盛るように塗装して一体感を表現し、その後ホースを接着します。
このホースはタミヤなどにプラグ用かバイクキットのアクセルワイヤーで使用しているコードを流用しています。

普段、他の完成したキットのコードなどはジャンク部品として保管して置くとこういった場所で活躍してくれます。


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ダッシュボードの製作です。
ここはそれほど難しくは無いので要点だけを御紹介します。
エンジンルームの後ろは空いているのでここにパネルを取り付けますが表面になる部分に押しピン跡が付ています。
両側の押しピン跡は隠れるので問題はありませんが真ん中の見える部分は消しておきましょう。
私は主にアルテコ瞬間接着パテを使用していますが、このパテは食いつきが非常に良いのと新品であれば乾燥時間が1分もかかりません。古くなるとやや乾燥時間が遅くなりますがそれでも他のパテの乾燥時間とは比べ物になりません。
私の作業の効率には絶対欠かせないアイテムです。


DSCN2702.jpg


ダッシュボードの組立です。
ここも特に難し部分はありませんが、ダッシュボードの両側にある通風孔は墨入れをして立体感を出します。
私はタミヤの墨入れ専用の塗料を使用しています。もちろんエナメル塗料を溶剤で薄めて使用しても大丈夫です。

ここで墨入れのウンチクです。
墨入れは本来パネルラインなどをハッキリ出してリアル感を高める技法ですが、たまに白い車に黒の墨入れをトランクやドアなどに入れる方がいます。
間違った方法ではありませんが余りにもハッキリしてしまいチープに見えてボディラインが台無しって事にもなりかねません。
実物は墨が入れてあるのでは無く、あくまで陰になっているだけです。
そこでより良い墨入れ方法を御紹介します。

一番良い方法ははスジボリを出来る限り深く入れて影が出る様な深さで表現するのが理想ですが、当然墨入れが好きな方も居るでしょうし、スジボリの苦手な方も居ると思います。そんな方にお勧めの方法です。

先ほど述べた通り、実物のパネルラインは陰によって暗く見えるのでボディカーラーに合った色で墨入れします。
例えば白い車ならグレーに白を多く入れて出来るだけボディ色より少しだけ暗い色を作り墨入れします。
黒であればブラックグレー、赤であれば赤にほんの僅かハルレッドを混ぜます。
黄色のボディであればデザートイエローに白を混ぜて使用するのも手です。いずれにしても目立ち過ぎないような色で墨入れするのがボディラインを壊さない方法です。
私の雑誌レビュー初期の時はどのプロモデラーもドアなどに墨入れをしていて私も同様だった時期もありましたが、
何となく墨入れに疑問を感じ、(私の過去の作品の殆どにドアなどのパネルに墨入れの表現はしておりません)
現在のスジボリに拘って深く掘ることによって影が出来る様にしてきました。
私の場合は今回のダッシュボードの通風孔やエンジンブロックを立体的に見せる、もしくはオイル汚れを表現する程度に
墨入れを使用しています。


DSCN2706.jpg


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墨入れを拭き取って完成したダッシュボードです。
この塗装はダッシュボードセンターにアイボリーが使用してありますが説明書ではセミグロスブラックの指定です。
資料を見る限り殆どがこの仕様なのでこの色に塗装しています。
又、ハンドルの根元のパネルは別パーツで再現していますが、継ぎ目を消していないのではなく、実車も継ぎ目が
ハッキリ出ているのでこの表現になっています。
完成したダッシュボードをボディに取り付けますが出来るだけ隙間が出ないようにキッチリ取り付けましょう。


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エンジンをボディに組み込んで最後のパイピングです。
先ほど製作した太いパイプは取り付ける補器がありません。この場合はパイプを長めに作りエンジンの奥の方に上手く潜り込ませます。
ディストリビューターのもう一本のコードを電装品のパーツに穴を開けて取り付けます。


DSCN2714.jpg


DSCN2733.jpg


エンジンルームはこれで完成です。
如何ですか?何となくリアルの見えませんか?
気合を入れて更にバッテリーのコードも取り付けると更にグレードアップします。是非チャレンジしてみて下さい。


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さて如何だったでしょうか?
途中エンジンパーツの塗装は割愛させて頂いたので消化不良かもしれませんね。
今回のディティールアップ方法や墨入れの技法は基本的な方法です。これをベースに色々な再現方法を考えてチャレンジして頂けると幸いです。

毎回沢山の方にコメントやメールを頂いて心より感謝します。
皆さんの暖かい言葉は雑誌でレビューだけをしていた時にはとても感じる事が出来ませんでした。
これからも色々な作例をこのブログで御紹介したいと思っています。

では次回は最終の第4回はシトロエンの完成になります。
室内の塗装、組み立て細部パーツの取り付けの予定です。是非ご覧ください。
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 2015_09_10

Comments

お待ちしてました! 

苦手なパイピング楽しみにしていました。でも拝見して思ったのはやはり「こう作りたい」というイメージを持ってそれを具現化していく大事さと楽しさです。子供達にとても必要なスキルだと思います。最近少5の甥がプラモに興味を持ったのでエアブラシのお古を譲りました。ゲームも楽しいけどプラモの楽しさは別だねと制作に励んでいます。最近のキットは小学生が買える値段ではないですが、私の出来る範囲で作る楽しさを子供に伝えていきたいと思います。
てげてげ  URL   2015-09-15 08:22  

いやぁ、とにかく凄い! 

長江先生、いやぁ~凄すぎる!!
エンジンの作り込みには、ただただ感動するばかりです。
自分にはとても真似ができないです。
塗料の説明も申し分なく、やはりトッププロモデラーの方は調色でもすごい感性と日々の研究熱心の賜物だと感じました。
私は、まだまだ初心者レベルで、エアーブラシも思考錯誤しながら使っておりますが、このブログはとても参考になります。
塗装の種類や様々な説明もありがとうございます。
また次回も楽しみにしております。
あっ、また一つ質問なんですが、車のヘッドライトはどうやって接着したらいいのですか?
どうしても乾燥後白く濁ったようになってしまうのですが・・・
ちなみに流し込みタイプで接着してるんですけど・・・
また、お暇な時に解答よろしくお願いしま~す。  暇な訳ないですね(笑)
トラック模型好き親父  URL   2015-09-15 09:40  

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2015-09-16 09:24  

てげてげさん、こんにちは! 

いつも見て頂きありがとうございます!
私も同感です!物を作る楽しみや技術は大人になって大きく影響します。
私の知人に、無趣味で特に興味を持っている事も無く、料理も出来ない、日曜大工も出来ないなんて
方がいます、子供の頃の話をしてもやはり何もしなかった様です。
子供の頃にどれだけ色々な事に興味を持ってチャレンジしたかどうかが将来のカギなんでしょうね。
私の周りの若者にも。何をやっても継続出来ない、目標が低い為に努力を全くしない、なんて普通になってきています。
私たちも微力ですが少しでも子供たちに作る!って事から伝えていきたいと私は思います。
お互い頑張りましょう!

てげてげさんの製作記いつも拝見しています。
勢力的に製作しているので感心しています、これからも良い作品をイッパイ作ってください。
では又。
長江  URL   2015-09-16 09:42  

トラック模型好き親父さん、こんにちは 

お褒め頂き心からお礼申し上げます。

パイピングはそれほど難しい物ではありませんよ、でもこういった技術は個人の好みです。
ですが、トラックの場合は無線アンテナの再現などにも使用できますので一度はチャレンジしてみて下さい、解らな場合は又ご相談を下さい。

エアーブラシの技術は積み重ねです、試行錯誤が最も良いテクニックを育ててくれると思います、
私も初めた時は苦戦しました(笑)
さてヘッドライトの接着方法ですが、基本的に流し込みなどの樹脂を溶かして接着する接着剤は使用しない方がいいです。
本来はメッキの表面には先ほどの接着剤は余り反応しませんが、レンズパーツに大きく反応します。
簡単に言うとレンズを溶かそうとします、ヘッドライトケースの全周に流し込みの接着剤を流すとレンズ周りに隙間がなくなり、揮発した接着剤のシンナー成分が抜けなくなりレンズ裏側を白く濁らせてしまうんです。
点で接着するのも手ですがどちらにしてもレンズを溶かす事には変わりはありません。

一番良いのは、エポキシ接着剤やクリヤーボンド、ゴム系などの樹脂を溶かさない接着剤を使用する事です。そうすれば問題は一気に解決します。

今回のシトロエンは次回で最後です、レンズなどの取り付けはエポキシ接着剤を使用しています。
本日か明日にでも公開しますので是非ご覧ください。
これからも何時でもご相談ください。
そんなに忙しくありませんから、、、、(笑)


長江  URL   2015-09-16 10:12  

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Author:keitarousan
株式会社アイビプロテックの代表取締役です。
模型製作代行【NAGAEアートプロダクション】事業部を設立。
現在雑誌・テレビ等のメディアで模型製作および解説をやらせてもらっております。

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