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[atelier souvenir vol.12]1/6 GSX1100S KATANA 第五回

Category: 1/6 GSX1100S KATANA  

こんにちは! GSX1100Skatana最終回の御時間がやって参りました!

今回は早々に更新させて頂きました! 今回で完成です。じっくり見てやってくださいませ!
完成に向けてまだ細かい部分が残っているので、ディティールアップを行いながら製作していこうと思います。

最初の作業はカウルの取り付けステーです。このステー厳密に言うと形は似ていますがかなりアバウトなんです。
どうしてくれようか? と悩みましたが本気で作るとほぼ作り直しになってしまいます。
そういう訳にもいかないので出来る限り雰囲気重視という形にしました。

DSCN8025.jpg


太さの違う本体のフレームは出来るだけ同じ雰囲気になる様に整形します。ヘッドライト取り付け部にボルトがありません。
0.5mmプラ板からポンチで3mmの〇を切り抜きワッシャーを作り、ボルトを貼り付け指定位置に取り付けました。
裾にはカウル固定用の冶具の為に小さなステーが付いているので追加で取付けています。
最も問題なのが本体フレームに取り付ける部分です。全く形が違います! 新規に製作しようと思ったのですが形状が複雑で取り付けた後の強度が心配になる形だったので諦め、形状変更と肉抜き穴のみ追加し雰囲気重視で作ってみました。
上の写真と見比べて頂ければ御理解頂けると思います。


DSCN8042.jpg


ヘッドライトの加工です。
メッキ仕上げになっていますが裏側は大きな押しピン跡があり見た目が宜しくありません。
正面側は反射板になっていてそのままメッキを使用したいので、裏側のピン跡を綺麗に処理してメッキの反射部をマスキングして裏側をサーフェーサーで下地処理をしておきます。

DSCN8043.jpg


ライトケース裏側はややくすんだシルバーに塗装し、ヘッドライト周囲はセミグロスブラックで塗装します。
実車はこのような姿なんです。メッキのまま使用しても余り見えないので問題はありませんが、こんな所にも拘りがあると面白いのではないでしょうか?

DSCN8046.jpg


更に拘ったのがヘッドライトの調整用ネジです。
下の写真はその部分のパーツですが本来は中央のステーはスプリングに覆われたシャフトです。
出来るだけ実車の様な形に作り変えます。

DSCN8044.jpg


どうでしょうか? かなりリアルになりました。スプリングはやや斜めに付いていますが中を通っているシャフトは真っ直ぐに付いています。
実車では光軸を調整する際にネジ込むとスプリングが変形しているのが普通です。又、シャフトより大きめのスプリングが使用されているので下の様な斜めに付いていても問題はありません。
フレームにヘッドライトが組み込まれますが上部に留め金がありません。これも実車に合わせて追加加工しました。

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フレームとヘッドライトが組み上がった状態です。かなりリアルになりましたね。

DSCN8047.jpg


大切な部分を忘れておりましたのでもう一つ追加する事にしました。
ヘッドライトは配線する予定なのでヘッドライトケース裏側のゴムカバーを作ります。真ん中の穴は配線用の穴です。
パテで造形して接着します。

DSCN8052_2.jpg


この部分はゴム製なので艶消しブラックが適当です。これでヘッドライトは終了です。

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カウルステーに取り付けてみました。ステーの上部フレーム取り付け部分は本来は形が違いますが外せる様にしたいので、敢えて取り付けやすくする為にキットの形状を利用しています。


DSCN8082_2.jpg


リアウィンカーの配線です。実車と同じ形にしましょう。
3.5mmのポンチを利用して薄いプラ板を抜きます。真ん中に適当な大きさのボルトを接着し更に中心部に0,4mmの真鍮線を立てます。
これをやや金色がかったシルバーで塗装します。チタンゴールドでもいいかもしれません。


DSCN8074_2.jpg


先程作ったものをステー裏側に接着して配線を差し込めば終了です。案外簡単でしょ。
こんな部分も見えやすいのでチョット工夫するだけでリアルになりますね。


DSCN8078_2.jpg


ハンドルを製作しましょう!
下の2枚の写真は加工済みですがチョットディティールが足りません。上の写真はボルトが足りないので2か所追加しています。
下の写真はネジのモールドが無いので、ピンバイスで穴を開けて適度な大きさのリベットを打ち込みネジを再現しています。
左右同じ方法で追加を行います。
ちなみに写真はグロスブラックで塗装していますがこれはデカールを貼る為です。自作で表記文字を作り貼り込みます。


DSCN8079_2.jpg


DSCN8080_2.jpg


ハンドルを取り付けてみました。ハンドルのスイッチ部に文字があるのが判りますでしょうか?
これだけでリアルになりますよね~。やや文字が大きめですがこれ以下に小さくすると文字が読めません。
多少妥協して文字が読める限界でデカールを製作しています。

DSCN8081_2.jpg


ブレーキマスターの点検窓を作るのを忘れておりました。ハンドルは接着してしまったので無理やり点検窓をつくりました。
最初に作っておけば楽だったのに、、、、。実際こういう場面は多いんですよ~。

DSCN8109_2.jpg


ブレーキペダルやリンケージ類ですが、成型上ボルトは丸かったりドーム状であったりと恰好が良くありません。
既存のボルトを切り取って同じサイズのボルトを付け替えて綺麗な形に修正します。
この部品もメッキでしたが押しピン跡なども大きいのでメッキを剥がして修正してから塗装します。

DSCN8054_2.jpg


フットペダルです。裏側に大きく肉抜き穴が空いていますが実車にはありません。アルテコ瞬間パテで埋めて整形しますが、同時にステーの差し込み穴も成型上実車と同じにはなっていないため、ステーが差し込める様プラ板で土台を作りパテで整形します。
これでステーを差し込むことが出来ます。
又、ペダル裏には金属製のバンドが付いており片側のみボルトが付いているのでこれも再現しておきます。

DSCN8053_2.jpg


塗装するとこんな感じになります。

IMG_20171130_094635_2.jpg


フットペダルのステーですが磨きだしの様な光沢仕上げなのでメッキ調の塗装を施します。
又、ボルトのみ実車はメッキなのでミラーフィニッシュを貼り込み雰囲気を演出します。

IMG_20171130_094648_2.jpg


ペダル周りの完成です。フレームとは全く違う色合いになっているのが判りますでしょうか?
これが全て同じシルバーだと面白みが全く無くなってしまいますし、メッキのまま使用するとバリとパーティングラインがハッキリ判ってしまうので玩具っぽくなってしまいます。
やはり場所や機器類の性質で素材が違っているので塗り分けはグレードアップに欠かせません。

DSCN8108_2.jpg


配線用のコネクターです。黒いのはヘッドライトの配線用コネクターになります。リアル感を求めるなら是非作ってみては如何ですか?

DSCN8174_2.jpg


シールドの製作です。
ここで驚き! シールドの裏側に押しピン跡が4か所もあるではありませんか!
ステーと仮組してもハッキリ見えて誤魔化せません。

DSCN8169_2.jpg


こうなったら消すしかありません。1000番のペーパーで丁寧に削り取り平滑にします。
その後磨きが楽に出来る様丁寧に2000番で磨き上げます。ここで綺麗に磨ければその後の作業がかなり楽になります。

DSCN8170_2.jpg


透明感を戻す作業です。粗めのコンパウンドで丁寧に磨き擦り、傷が殆ど無くなったら仕上げ用のコンパウンドで磨き倒します。これで綺麗な透明度が戻ります。
この方法はカーモデルのガラスにキズがあった際や飛行機モデルのキャノピーのパーティングラインを消すのにも役立ちます。是非お試し下さい。

DSCN8172_2.jpg


押しピン跡は全く分かりません。この後塗装です。

DSCN8173_2.jpg


KATANAのシールドはクリアーではありません。少しスモークが入っています。
カスタム仕上げであればスモークブラックで濃い目に塗装しても良いのですが、実車に合わせるには薄めに塗装します。
今回はスモークグレーでかなり薄く塗装しています。

DSCN8175_2.jpg


スモークグレーは乾燥に時間がかかるので要注意です。焦って触ってしまい指紋が付いたりしたら再塗装時にムラになりやすくなります。
十分な乾燥時間を置いてからスクリーンのふちをセミグロスブラックで塗装して完成です。
個人的にはもっと暗い色の方が好きなんですが一応実車を踏まえて気持ちだけ暗くしてみました。

DSCN8353.jpg


シートです。
形は手を入れる必要は無いのですが、シートの全周にかなりエッジが立っておりリアル感がありません。
オートバイのシートは中にコーンが入っており、上からシート地の合皮が巻いて貼り込んでいるのが普通です。
エッジを綺麗に取り、サンドペーパーで丸めておいた方が裏側にシート地が巻き込んでいるように見えます。
小さな事ですがこんな部分も大切なんです。

DSCN8107_2.jpg


シートはバックスキン調になっているので再現したい所ですが中々完全なバックスキンの再現は出来ません。
今回は手軽に近い雰囲気を造ってみました。
サーフェイサーを500番などの粗い缶スプレーでまぶす様に塗装します。簡単に言うと振りかけるって感じでしょうか、
全体にザラ付く感じになったら乾燥させて又同じことを繰り返します。5~6回程度でかなりザラザラな表面になってきます。
指定の色で塗装して終了したら、仕上げに保護も踏まえて艶消しクリアーの缶スプレーで、先ほどのサーフェーサーと同じ要領で4~5回まぶす様に塗装すれば下の写真の様な状態になります。
ホームセンターなどでバックスキン調のスプレーも販売されていますが、粒子が粗い為スケールオーバーになってしまいます。
このスケールであれば先ほどの方法でそれらしく表現できるのでお勧めです。


DSCN8323_3.jpg


バックミラーです。
ステーをグロスブラック、ミラー部をセミグロスブラックで仕上げると良いと思います。


DSCN8324_3.jpg


ミラー部分ですがそのままメッキを使用しても問題はないと思います。ただやや色合いが明るすぎてやや玩具っぽく見えます。
実車のミラーの雰囲気を演出するのであれば、ミラーテープやミラーフィニッシュを貼って再現した方が落ち着いた感じに仕上がるのでお勧めです。


DSCN8352.jpg


いよいよ組み立てです。
ヘッドライトをフレームに取り付けます。先程ヘッドライトに裏側に付くコネクターも製作したので組み付けて配線を行います。


DSCN8265_3.jpg


反対側です。


DSCN8266_3.jpg


ここからが手間のかかる作業です。
実車の写真を見ながらパイピングの本番です。出来るだけ解る部分は配線してみました。
キットでは実車と同じ機器類は付いていないので省略が多くなりますが、徹底的にやる方は同じ機器類を自作してパイピングをするしかないでしょう。
ですがこの部分のパイピングは自己満足の世界です。タンクを取り付けたら外側から見えません。
但しハンドルとヘッドライトの間はカウルが付いても見えるので、実車さながらのパイピングを施すと雰囲気は抜群です。


DSCN8313_3.jpg


反対側です。出来るだけ実車のパイプの太さを考慮して不自然にならない様に気をつける事が大切です。
このパイピングの方法ですが余りにも複雑で、ブログで簡単に説明が出来ず御理解頂けないのが残念です。
パイピングはF1モデルなどのレーシングカーが最も一般的ですが、バイクでも見える部分にパイピングを施すのは精密感を上げる為に有効なテクニックです。
私が今回行ったパイピングは雰囲気を上げる為のパイピングで実車を再現している物ではありません。
実車を再現するにはキットで再現されていない機器類の追加が必要です。
ショップにはコネクターやパイピング用のコードなど様々なアイテムが販売されています。そういったアイテムを利用して無理のない範囲で楽しみながら行うのが楽しいと思います。


DSCN8314_3.jpg


カウルとタンク、シートを取り付けてみました。
この時点で完全にKATANAになりましたね~。ヘッドライト廻りも実車と同じ形になりしっくりきます。


DSCN8348.jpg



ここで私はガックリ来ました。
シートの取り付け方法です。表側からネジで止める! なっ何で?! 正直こうなっているのを完全に忘れていました。
本来こういった止め方ではないので研究して止め方を考えた方が良いでしょう。
ちなみにアングルネジ止めしなくても接着すれば良いのですが、私は今後のメンテナンスの事を考慮して外せるようにしました。
現行のキットでは間違ってもこんなシートの止め方はしないと思います。
取りあえず今回はこれで御勘弁を、、、、、、。

DSCN8347.jpg


先程仕上がったスクリーンを取り付けました。中々良いではありませんか! この後バックミラーとナンバーを付けて
完成です。

DSCN8354.jpg


ナンバーは適当に付けました、番号は私の幸運の番号なのでこのバイクにも付けてみました。
ちなみに私のバイクはこういうナンバーは付いていません。

DSCN8357.jpg


完成しました! 如何なもんでしょう?

DSCN8358.jpg


チェーンを交換しているのでリアルな足回りになりました。

DSCN8361.jpg

DSCN8363.jpg



カウルの中に見えるパイピングがリアル感を演出してくれます。

DSCN8364_20171203173528efe.jpg


ヘッドライトとカウルの隙間も実車の様な感じになりました。

DSCN8365.jpg


今回随所にボルトの交換や追加を行いましたが、使用したのはこれです!
モンモデル製のボルトセットです。ミリタリー用の様な気もしますが使えれば何でも使う私として大変重宝するパーツです。
片側がボルト、裏面がナットの表現になっているので両方使用すると正しい形が表現できます。
3種類ほど販売されていますがサイズが違うので使用するスケールに合わせて選ぶのが良いでしょう。

DSCN8408.jpg


これで完成です! 長かったですね~。今回も200枚を超える写真を載せました。ストレートに組めばこれほど時間はかからないのですが拘ると倍以上の時間が必要でした。

最初の目標としてキシキシ言わない模型になりました。キシキシと音がするのは組み方が甘かったり精度が悪い場合に音が出ます。
軋み音はプラモデルの安っぽさにも繋がるので、シッカリ接着して組むことが重要なんです。
又、資料も大切ですね。ストレートで手早く沢山作るもの楽しいのですが実車の資料と睨めっこして違いを発見し修正しながらじっくり模型製作するのも楽しさの一つだと思います。
今回の様にこれだけ改造してしまうと「俺には出来ないな~」「難しいな~」と思う方も居るでしょうが、決してそんな難しくはありません。
方法さえ知ってしまえばどなたでも製作出来ます。

バイク模型の楽しさはやはりエンジンが丸見えって事でしょうか。メカニカルな構造はスケールが大きくなればなるほどリアルに造形されているので、更に手をかける事で一段とリアリティを持つようになります。
自宅のディスプレイスペースの問題もあると思いますが、やはり大きなスケールの完成品は存在感が全く違います。
皆さんも是非大きなスケールのキットを手掛けて楽しんで頂ければと心から思います。

現在日本ではオートバイが売れない状況が続いているそうです。勿論自動車も同じ状況ですがバイクが売れないので模型も新しいバイクの模型がリリースされません。非常に悲しい状況です。
昔は魅力的なバイクが排気量問わず沢山販売されていました。道路交通法がドンドン厳しくなりバイクが走れない道も増え
バイク乗りには厳しい状態です。
以前国会の中継を見ていた時にもバイク4大メーカーが日本にあるのにバイクの販売低下の問題が審議されていました。
もっと多くのバイクファンが増えてバイク模型を作る方も増えて欲しいと思います。


次回も早々にアップしますが、久しぶりにカーモデルです。
サクッと製作するつもりなので(年内完成目標です!)又お付き合いください。
年始には又大きなスケールにチャレンジしてみようと思います。

今回もコメント、御質問等お待ちしております。今回は完成ので評価や御叱り、案外面白かったな~なんて思って頂けたら
励みになりますので是非ポチッとお願い致します。

写真のクオリティが低いので申し訳ありません。近々にギャラリーにアップしますのでそちらも合わせてご覧ください。
又、書き下ろしの様な物なので間違いや不明な分があるかもしれませんがあった際は御了承ください。
では次回まで御機嫌よう~。
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 2017_12_03

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keitarousan

Author:keitarousan
株式会社アイビプロテックの代表取締役です。
模型製作代行【NAGAEアートプロダクション】事業部を設立。
現在雑誌・テレビ等のメディアで模型製作および解説をやらせてもらっております。

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