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[atelier souvenir vol.17]ホビダス HOゲージ 阪急8000系 第六回

Category: 阪急8000系  

皆さんお待たせいたしました。
何とか今月3回目の更新が出来ました。
内容がまだ地味なので面白みに欠けるかもしれませんんがこういった地道な工作が一段上の完成品を作るんです。
と、言ってはいますが本人も地味な作業で大きな変化がない分チョット飽きています。
でももう直ぐ大きな変化が出る作業になるので頑張ろうと思います。

では今回の作業に参りましょう!
前回は母線を取り除いた訳ですがヒューズボックスへの配管部分は手を入れていません。この部分はモールドのみ綺麗にペーパー処理などが出来れば良いのですが少しでも狙った所からズレてしまうとモールドされているリベット(ボルト?)表現が無くなってしまいます。
リベットのモールド自体はとても小さく0.2~0.3mm程度しかありません。
特に無くなっても気にしないのであれば全て綺麗に削り取っても良いと思いますが中にはリベットが無くなるのは嫌だな~とい方には消えたリベットを再現する方法を行ってみましょう。

DSCN0222_2.jpg

まずはリベットを綺麗にカッターで切り取りましょう。少し跡が判る様に削るのがコツです。
この時点では配管は特に加工する必要はありません。

DSCN0223_2.jpg

削り取ったリベット部分に穴を開ける為に先の尖ったもので後を付けます。
この時皆さんが御心配になるのは精度ではないでしょうか?勿論正しく入れられれば問題はありませんが人間の手による作業ですので絶対機械のようには出来ません。
多少ズレていてもそこは愛嬌という事で笑って済ませましょう!
ちなみに私自身も完全に正しい位置には出来ません。幸い今回のリベットは屋根と同色です。パッと見は解らないので気軽に作業を行いましょう。
どうしても正確でなければ嫌だという方は航空機模型用のリベット用の治具などが販売されているのでそういったツールを使用するのが便利です。

DSCN0224_2.jpg

先程の印に穴を開けていきます、ここはリベット用なので0.3mmが良いと思います。0.3mmのバイス刃は非常に折れやすいので曲がらない様に垂直にゆっくり穴を開けていきます。
非常に根気のいる作業ですがやってみると案外楽しいものです。自分のオリジナリティを演出する為にもここは一つ頑張っていきましょう!

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穴を開け終わったら整形します。
「こうやって成形するんなら最初にモールドを削らなくてもいいんじゃね?」
と思う方も多いでしょうが最初に削り取ったのは配管止めの穴を開けておくのと平らにペーパーをかけやすくする為です。
治具などを利用して平滑に処理する場合は出来るだけ全体に同じ力で磨いた方が綺麗に仕上がります。
大きいモールドが残っているとその部分を削る為に均等に力を入れる事が出来ません。出来るだけ全体に平均的に力をかけられるよう余分な場所は削り取った方が綺麗に処理できます。

DSCN0226_2.jpg

綺麗に処理出来たら穴に残っている切り屑などを綺麗に取り除きます。良く見て頂くと私も完全な位置には穴が開けきれません。
この程度でも御自分が納得出来れば問題はないでしょう。


DSCN0227_2.jpg

これからが大切です、穴を開けた場所に0.3mmの真鍮線を差し込んでいきます。やや長めが作業しやすいので良いと思います。
全て差し込んだら表を1mm程度出る様に全ての真鍮線を調整します。
出来たら裏側から瞬間接着剤を出ている真鍮線の周りに流し込んで真鍮線が動かないようにします。

DSCN0228_2.jpg

ダイヤモンドヤスリで出ている真鍮線を約0.1mm~0.2mm程度になるように整形していきます(高さは御好みで)。
くれぐれも慎重に行って同じ高さになるよう整形します。
削り過ぎて表面と同じ高さになってしまった場合は瞬間接着剤で固定しているので裏側から表側にラジオペンチやニッパーなどで挟み押し込んで調整します。
この時の調整の為にも真鍮線は少し長めにしておいた方が無難です、太さが気になる方は0.2mmや0.4mmなどお好きな真鍮線でお試しください。
これでリベットの表現が完成しました。

DSCN0236_2.jpg

下の写真の様になっていれば大丈夫です、高さは好みがあるので塗装の塗膜を考えた上で好みに合う高さに仕上げれば良いと思います。

DSCN0237_2.jpg

お次は細い配管です、母線を切り取った方法と基本的には同じです。
入り組んだ場所に多いのでカッターの刃先や平ノミなどを屈指して綺麗に削り取っていきます。

DSCN0238_2.jpg

上手く切り取れると下の写真の様に配管が別パーツの様に切り取れます。

DSCN0239_2.jpg

今迄と同じ様に尖ったもので印を付けて配管止めの位置に穴を開けていきます。

DSCN0240_2.jpg

ここは配管止め用の穴なので0.4mmなどを使用して配管止めが入る穴を開けておきます。

DSCN0241_2.jpg

全ての配管を切り取りサンドペーパーで仕上げておきます。

DSCN0242_2.jpg

ここまで来たら機器などに手を入れていきます。
ヒューズボックスは前に記述した通り碍子を挟んで取り付けますが今はまだ作業はしないので後にします。

ここまで来たら他にも手を入れましょう。キットのパンタグラフは固定式で可動はしません。ここは折り畳みの出来るグレードの高い物を載せたいものです。
パンタを交換するとなるとネジ止めのタイプになるので今のままでは乗せる事が出来ません。
基台自体を新しく作り変えましょう。

まずはモールドされている基台をニッパーで切り取ります。

DSCN0248_2.jpg

基台のモールドを削り取ったらいつもの通り印を付けて碍子のモールド部分の中心に穴を開けておきます。
これは最終的にパンタを止める為の位置が判る様にする為です。

これで十分な方は穴を開けてから碍子モールドを綺麗に削り取りパンタ用のビスが入る様タップを切っておき、別売の碍子を挟んでパンタグラフを取り付ければOKです。

DSCN0250_2.jpg

先程の状態から私はもう少し手を入れてみたいと思います。
実車のパンタ台は屋根板に直にプレートが乗っている訳ではなく台の下に隙間があります(説明がチョット難しい)
又、パンタ自体がチョット低い位置に付いている様な気がするので実車の様な形に改造します。
そこで更に碍子下の基台も切り取ります。

DSCN0251_2.jpg

切り取った所に屋根上に付いているプレートの真ん中を両端1.5mm程度残し切欠きます。

DSCN0253_2.jpg

サンドペーパーで処理し平滑になる様に整形した後プレートに付いているボルトのモールを切り取り何時もの通りの方法で穴を開けます。
今回はリベットではなくボルトですので0.4mmで穴を開けておきます。

DSCN0254_2.jpg

下の写真の様な状態になります。
この時出来るだけ周囲が平滑になる様丁寧にペーパー処理しておくことが大切です。

DSCN0255_2.jpg

ここでパンタの基台が載るプレートを製作します。
0.3mmのプラ板を7.3mm×4mmに切出します。切出したパーツは角を少しだけ丸めて全体的に1500番程度のペーパで整形しておきます。
右の写真は加工前ですが左の写真の様になればOKです。
角のRは御自分の好みで良いのですが違和感がなければ十分です。

DSCN0256_2.jpg

先程切り欠いた場所にプラ板で製作したプレートを流し込み接着剤を使用してシッカリ接着します。
ここの場合はプラモデル用流し込み接着剤で固定します。

DSCN0257_2.jpg

横から見るとプレートの下に隙間が出来ました。実車はこの様な形になっています。

DSCN0258_2.jpg

さて今回はここまでです、如何でしたか?
今回の作業もどこまでやるか本人の好みって所でしょうか?
特に最後のパンタ基台の製作は結構な手間がかかるので無理にする必要はありません、御自分のイメージの範囲で行って下さい。

中にはここまでする必要があるのか?と思う方もいると思います、確かにそうだと思います。
ここまでするのであればカツミ製やオカ製のブラス製HO完成品を買えば済むことです。
又、金額面でもブラス製に比べると多少でも安価になります。(改造次第ですが金額については個人差があるので御理解ください)

では何故行うのか?それは工作する事自体が楽しいからではないでしょうか?
工作しながら形が変わっていく様を見ていることが楽しいからです。私自身もブラス製のキットも持っていますが、プラ製のキットをブラス製に見劣りしないよに完成させることが楽しいからです。
以前同じホビダス製の名鉄7000系をRMモデル本誌の中で記事にして頂いた事がありますがこの名鉄7000系完成品は
カツミ目黒店様の展示品になっていました、その中でもとても嬉しかったのが大半の来店された御客様ががプラ製なのかブラス製なのか判別出来ないと店員の方からお聞きした時です。
確かにブラス製はとてもシャープな仕上がりで私も大好きですがプラ製だらと馬鹿にされるのはとても心が痛みます。
ストレートの完成品では確かにとてもブラス製にはかないません。だったらと手を入れている訳です。

私の考えに反対の方もいるとは思いますが模型は自分自身が心から楽しむものです。完成度を自慢するのも勿論OKですが
それでは初心者の方や上手く出来ない方にはプレッシャーになり現時点でもとても少ないモデラーが人口が益々減っていきます。
モデラーを少しでも減らさない為にも皆さんのお力が必要だと思います。

次回は屋根の周辺機器や配管作業になりますので宜しくお願い致します。
では次回まで暫しお待ちください。

合掌 礼

質問等いつでも受け付けていますので御遠慮なくコメント下さい、又、内容が濃い場合は弊社に写真などを添付してメールで御問い合わせ下さい。

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 2019_02_28

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プロフィール

keitarousan

Author:keitarousan
株式会社アイビプロテックの代表取締役です。
模型製作代行【NAGAEアートプロダクション】事業部を設立。
現在雑誌・テレビ等のメディアで模型製作および解説をやらせてもらっております。

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